思ったより、とおくに

専業主婦のエッセイ

我が家らしいお正月


今年もお正月が終わった。1年で大晦日からお正月にかけての時期が1番好きだ。実家から遠いところに住んでいるため、帰省せずに我が家でゆっくりと過ごした。そのため正月に何を食べ、どう過ごすかは、大半主婦である私に掛かってくる。

 

今年はおせちを注文しようかなと考えているうちに、あれよあれよと時は過ぎて、もうクリスマスも終わっていた。まだ子どもたちも小さいのでそれほどおせち料理は食べないであろうと思い、お雑煮と少しの蒲鉾や伊達巻などを用意することにした。

私は料理が得意ではないので、お雑煮は毎年自信が無い。作り方はいたってシンプルだし、おもちは絶対に美味しいものであるし、味見さえすれば間違いないものができるはずなのだが、自信は無い。それはお雑煮に限らず、いつもの料理も同じかもしれない。そして夫は料理に口出し(感想)するタイプでもないため、大丈夫かな、、と思いながら出している。

家族4人食卓に揃い「明けましておめでとう」の挨拶をする。お芝居のようになるシーンだなと、実家にいる頃に思っていた。心から言っているようにも見えず形式的な、急に恭しくお辞儀をする母の姿を思い出す。今は私がその母であるのだな、と思う。そしておせちをいただく。今年のお雑煮は美味しくできた、と1人満足する。だんだんと子どもたちが騒がしくなり始め、お正月はいつのまにか日常に戻る。

 

来年こそは、美味しいと言えるお雑煮を作り、お正月飾りを準備し、子どもたちとゆっくりおせちを食べられるようになっていたい。お芝居のようなお正月の挨拶を心からできるようにもなりたい。我が家らしさは主婦である私が担っているのだ。我が家のお正月を手に入れるため、今年も家事に育児に主婦していこうと思う。

1ばんとか2ばんとか


6さいがとにかく1番が好きだ。

「やったー!1ばん!」とか、子どもからよく聞くセリフを我が子も言う。1番じゃない時も、不正をしてでも1番だったと言い張る。そのたび、1番じゃなくても良いんだよとか、1番以外の人の気持ちを考えてとか、自分でもよくわからない謎の否定をしていた。

 

先日パン屋さんに行った時、6さいが大好きなメロンパンがあり、買おうか問うと、買う!と言った。そこには2番人気です、の文字。「わー2ばんなんだ!」と嬉しそう。少し歩いたところで「これもたべたい」と言う。1番人気のコーンパンだ。美味しいパンではあるだろうけれど、甘くはない食事パンである。カレーに付けて食べるのも良いか、と買った。

家に帰ると、コーンパンを食べるという。おやつの時間だからメロンパンじゃなくて良いの?と聞くも、コーンパンと言う。少し硬めの大きいパンをぐらぐらの前歯でかむ。かみきれないからちぎってーと言われ、ちぎる。おいしいーと満足そう。そして「これは1ばんのパンだからね」とにこにこで言った。

子どもにとっての1ばんは私の考える誰かや何かと競っての1番ではなくて、もっとキラキラしているイチバンなんだなーと気が付いた。

そりゃ嬉しいよね、1番だもんね。すぐに否定をしてしまう私は人間力が足りないな、と思う。育児ってこんなことの繰り返し。私とあなたは違うことを思い知るし、心にいつも留めていなくてはならない。

 

次の朝、メロンパンを食べて「2ばんだもんねーー!」とにこにこしていた。

 

今年のクリスマスツリー


昨日クリスマスツリーを箱にしまい、なんとなく部屋が寂しくなった。

 

毎年クリスマスシーズンになると、クリスマスツリーを買おうか悩んでいた。我が家は転勤族で物を増やすことに躊躇していたのと、まだ子どもも小さいので、理想通りには飾れないであろうと思い、見送ってきた。今年、次女が2さいになり言葉も理解してきたことと、6さいになる長女が大きくなる前にツリーを飾りたいと思い、ようやく買うことにした。

以前より狙っていたお店のツリーを、長女が選んだオーナメントとトップの星も併せて購入。サイズは小さく90センチ。届いた箱は次女と同じくらいの背だった。

設置しようと箱を開けると早速「ちいさいーー」との声。そうだね、大きいと遊ぶところが狭くなってしまうからね、と諭す。飾ってみると、確かに小さいけれども、小さいながらにとてもかわいい。一気にクリスマス感が出る。さて、次はオーナメントと思ってつけ始めるが、トップの星はすぐに次女が取りおもちゃと化す。尖っているのでこれはキケン!と即撤去。「せっかくほしえらんだのにー」と不満げな長女に来年はつけようね、と諭す。

やはり理想通りには全くいかないけれども、これぞ育児、、という気持ち。光らせることが出来るのを知るとお部屋を暗くして楽しんでいたし、オーナメントとしてUFOキャッチャーで取った小さいぬいぐるみたちがたくさんぶら下がった。思ったとおりではないけど、我が家らしいクリスマスツリーになった。

 

子どもが大きくなるとクリスマスツリーは飾らなくなると聞くけれど、出来るだけ飾りたいと、今は思っている。来年のクリスマスツリーはどうなるか。トップの星を飾ることができるようになっていると、嬉しくはある。