思ったより、とおくに

専業主婦のエッセイ

我が家らしいお正月


今年もお正月が終わった。1年で大晦日からお正月にかけての時期が1番好きだ。実家から遠いところに住んでいるため、帰省せずに我が家でゆっくりと過ごした。そのため正月に何を食べ、どう過ごすかは、大半主婦である私に掛かってくる。

 

今年はおせちを注文しようかなと考えているうちに、あれよあれよと時は過ぎて、もうクリスマスも終わっていた。まだ子どもたちも小さいのでそれほどおせち料理は食べないであろうと思い、お雑煮と少しの蒲鉾や伊達巻などを用意することにした。

私は料理が得意ではないので、お雑煮は毎年自信が無い。作り方はいたってシンプルだし、おもちは絶対に美味しいものであるし、味見さえすれば間違いないものができるはずなのだが、自信は無い。それはお雑煮に限らず、いつもの料理も同じかもしれない。そして夫は料理に口出し(感想)するタイプでもないため、大丈夫かな、、と思いながら出している。

家族4人食卓に揃い「明けましておめでとう」の挨拶をする。お芝居のようになるシーンだなと、実家にいる頃に思っていた。心から言っているようにも見えず形式的な、急に恭しくお辞儀をする母の姿を思い出す。今は私がその母であるのだな、と思う。そしておせちをいただく。今年のお雑煮は美味しくできた、と1人満足する。だんだんと子どもたちが騒がしくなり始め、お正月はいつのまにか日常に戻る。

 

来年こそは、美味しいと言えるお雑煮を作り、お正月飾りを準備し、子どもたちとゆっくりおせちを食べられるようになっていたい。お芝居のようなお正月の挨拶を心からできるようにもなりたい。我が家らしさは主婦である私が担っているのだ。我が家のお正月を手に入れるため、今年も家事に育児に主婦していこうと思う。